【海外ニュース】ソーダ税、ジュースの売上を38%減らす結果に

2019年5月16日

こんにちは、ニロウです。今日もひとつ海外から衝撃の強いニュースが飛び出してきたので、ごく簡単にですがご紹介しようと思います。


アメリカ・ペンシルバニアの州都フィラデルフィアで2017年、ソーダ税なるものが導入されました。名前だけでもインパクト強烈なこの税金、正確には砂糖飲料税(sugary drink tax)といって、炭酸が入っていなくても砂糖をいれた飲み物であれば課税対象になる、そんな税金です。

アメリカでは肥満や糖尿病などの生活習慣病が大きな問題になっていて、これらを抑制しようというのが導入された目的でした。その額1オンスあたり1.5セント。日本人の感覚ではわかりにくいので円に換算すると、500mlのペットボトルでだいたい29円という感覚になります(1ドル=109円で計算)。まあまあ大きな額ですね。

導入前から賛否両論あったソーダ税ですが、実際のところ導入した結果どのような変化があったのかはよく分かっていませんでした。というのも課税はフィラデルフィア市内に限られるので、隣町まで行けば普通の値段で買えてしまいます。フィラデルフィア市内の販売量は当然ダメージを受けただろうというのは推測されましたが、結局消費者は隣町に行って買っただけだったのか、それともやはり買う量が減っったのか、調査が困難なこともありよく分かっていなかったのです。

昨日14日、ペンシルバニア大学の大規模な調査に結論が出て、その驚くべき結果が公表されました。なんと市民の甘味飲料の消費量は全体で38%も減少していたのです。しかも市内の販売量に限って言えば51%(!)も減少していました。やはり市街で買う動きもあったため部分的に数字は相殺されましたが、それでもかなり大きな減少幅だったことがわかります。

日本人の感覚で言うと、いくらなんでもやりすぎだろ!…って感じてしまいますよね。これだけの減少幅になれば飲料メーカーには凄まじい痛手だっただろうことは想像に難くありません。しかしやっぱりアメリカのすごいところはこれだけ極端な結果になったにもかかわらず、世論は引き続き賛否両論なところです。ソーダ税に賛成していた支持者たちは「実はみんな隣町に行って買っていただけで、全体の消費量は変化しておらず、導入した市内の小売業者が貧乏くじを引いただけだった」という結果になってしまうことを恐れていたので、今回消費が抑制されたことが証明されたため大喜びしています。

そもそも肥満の原因を飲料メーカーに求めるというのが日本人の感覚とちょっとあいませんが、けれども支持者の考えをよくよく検討してみると実は無視できないものがあるんです。というのもアメリカにおける肥満や生活習慣病の問題はその日本におけるレベルの比ではありません。飲料メーカーが必ずしも肥満の原因であるわけではありませんが、大量の砂糖を消費させて利益を得ているのは事実であり、その社会的責任を一部負担するべきだ、というのが支持者たちの考えなんです。

もちろん反対者も大勢います。こうした税金は市民が「何を食べ、何を食べないべきか」という価値観の問題に行政が関与することになるので、そもそも間違っている、と考える声も根強くあります。

じつはこのソーダ税、導入されたのはフィラデルフィア市が初めてではありません。カリフォルニア州バークレーでは2015年に導入されており、フィラデルフィアはアメリカ国内では2番目の導入でした。世界に目を転じると近年では2011年にフィンランドが導入しており、それ以降ハンガリー、フランス、メキシコ、イギリスと導入する事例は増えているんです。

日本でも導入される日は来るのでしょうか…?